研究会・セミナーのお知らせ

システム医学としてのガンの臨床と研究 (ポスター

医学研究の成果をどのように医療現場に還元して行くかは常に本質的な問題である。システム医学は、個々の基礎・臨床データを包括的に理解し、最も適した医療を供給することを目的としている。我々のグループでは、この第一段階として、がんの診断・治療に役立つマーカーを単離するための新規医療技術の解析・開発を行ってきたが、大腸・卵巣がんの鑑別に関して、1万以上のDNA断片からおよそ2%の蛋白関連発現シーケンスを絞り込み、2つの蛋白レベルでの腫瘍マーカーの同定に成功した。データの包括的な理解のために我々が試みているアプローチと、医療技術開発と臨床応用における展望について、システム医学の見地からの考察を述べる。

講演者: 西 塚  哲  氏 (本学 医学部 卒業生 第43期)
所 属: 米国国立衛生保健研究所(NIH) 国立がん研究所
     分子治療プログラム 分子トランスレーショナル技術開発部門長
  SAIC-フレデリック プロテオミクス解析技術部門上級研究員(兼任)
日 時: 平成17年10月5日(水) 午後6時から
場 所: 循環器医療センター 8階 研修室      連絡先:第一生理




分子から個体へ -形態形成機構の解明 (ポスター

 私たちの体は、発生のはじめは、球体をしていました。卵の段階では、軸は無いに等しいのですが、そのうち背腹方向、前後方向に分化を始めます。さらに左右対称だった臓器が非対称になっていきます。古来、その形の変遷について数多くの考察がなされてきましたが、生物学的にそのメカニズムを解明されたとは言い難い状況でした。
 ところが最近、東大の廣川研究室から画期的な仕事が発表されました。脊椎動物の左右差の発生に線毛運動が関与するらしい、というものです。この仕事に精力的に取り組んできた竹田扇先生に、その着想と経緯を話していただくことにしました。竹田先生はまだ37歳の若き分子生物学者ですが、古典的な形態学・比較解剖学にも造詣が深く、浦先生のビデオ(岩手医大にて撮影・制作)も、辞書無し理解できる方です。竹田先生の、形態学と最新の分子生物学を組み合せた仕事は、良い意味の「新しき酒を古き革袋に」の喩えそのものです。どのようにしてインスピレーションを具現化してきたかをご講演いただきます。皆様のご参集を希望します。


講演者: 竹田 扇 博士
所 属: 東京大学大学院医学研究科 細胞生物学 助教授
日 時: 平成17年10月17日(月) 午後5時30分
対 象: 学部学生・大学院生・教職員
場 所: 60周年記念館 3階 研修室        連絡先:第二解剖(佐藤洋一)